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健康経営コンサルティングはなぜ必要?導入メリットと選び方のポイントを解説
目次
【お役立ち資料】
健康経営優良法人を獲得するためのチェックポイント
健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を目指す企業が、
どのような基準を満たすべきかを整理し、
スムーズに申請を進めるためのガイドです。
健康経営コンサルティングはなぜ必要?導入メリットと選び方のポイントを解説
近年、従業員の健康管理を戦略的に行う健康経営®*への関心が高まっています。健康経営は、働き手不足の改善や企業イメージアップにつながる考え方です。
しかし、具体的な進め方や自社に合った方法がわからず、お悩みの企業も少なくないでしょう。そこで注目されているのが、専門知識をもつコンサルタントによる健康経営コンサルティングです。本記事では、健康経営コンサルティングの必要性や、選び方のポイントについて解説します。
*「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
健康経営はコンサルティングが必要
健康経営の施策を進めるには、従業員の健康状態の把握からプラン策定、効果測定などにおいて、一定程度の専門性が求められます。マンパワーが限られる中、企業の一部署ですべてに対応するのは困難といえます。
そこで、健康経営をスムーズに進めるために、健康経営コンサルティングの導入が選択肢の1つとなります。 ここでは、健康経営の基本的な考え方と、健康経営コンサルティングの内容について解説します。
■健康経営とは
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する取り組みです。従業員が健康に働き続けられるように施策を行うことで、企業の成長につなげます。
従業員の健康増進は、単なる福利厚生の一環ではありません。従業員の活力向上や生産性アップ、企業イメージの改善など、組織が成長する上で欠かせない要素を高める一助にもなります。
健康経営では、データヘルス計画の策定や、ストレスチェックの実施、運動機会の提供、適切な労務管理など、包括的なアプローチが求められます。また、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」の認定を取得すると、健康経営への取り組みが公的に評価され、採用活動や企業ブランドの向上にもつながります。
■健康経営コンサルティングとは
健康経営コンサルティングとは、企業の健康経営をサポートするサービスです。コンサルタントは、企業に対して次のような内容を提供します。
- 企業の健康課題の分析
- 健康経営優良法人認定の申請サポート
- 具体的な健康施策の企画・運営
健康経営に取り組もうとしても、具体的に何をしたらいいか、どのように効果測定をすべきか悩まれる企業が多いのではないでしょうか。さらに、限られたリソースで効果を出すには、健康経営に関する豊富な知見と経験が求められます。
健康経営コンサルタントは、さまざまな企業をサポートした実績に基づき、業界の特色や企業独自のニーズに合わせた支援を行うことが可能です。プロのコンサルタントを活用して健康経営を推進することで、持続的な企業価値の向上につなげられると考えられます。
政府が健康経営を進める背景
現在、健康経営は国が積極的に企業に推奨している取り組みとなっています。健康経営に取り組む背景には、日本が直面する人口減少や社会保障費の増大、企業の競争力強化という課題があります。
ここでは、政府が健康経営を推進する3つの背景について解説します。
■生産年齢人口が減っている
日本の生産年齢人口(15歳から64歳)は、1995年をピークに減少の一途をたどっています。2060年には、生産年齢人口が2021年比で約30%の5,275万人にまで減少すると予測されており、労働力不足が深刻です。
労働人口が減る中、企業に求められるのは「今、働ける人が、いかに健康的に活動できるか」です。従業員の健康管理を経営にも取り入れることで、持続的な社会を創り出そうとする動きが高まっています。
■医療費・介護保険費が増加している
少子高齢化により、日本の社会保障費は年々増加傾向にあります。2021年度の医療費は47兆4,205億円で、前年比で11%増加しています。また、介護保険の総費用は、制度がスタートした2000年には3.6兆円だったのが、2021年度には約11.8兆円まで膨れ上がっています。
社会保障費が増えると、ゆくゆくは企業が負担する健康保険料の上昇にもつながります。企業には従業員の健康増進により、医療費や介護費用を抑える役割も求められます。
■企業イメージの向上が必要
近年は、若い世代を中心にワークライフバランスや働く環境への関心が強まっています。企業の健康経営への姿勢は、人材の採用において欠かせない要素となっています。
また、環境・社会・企業統治に配慮するESG投資の考え方からも、従業員の健康づくりは重要なポイントです。投資家はESGへの取り組みの度合いで投資判断を行うため、持続的な成長を目指す企業には積極的な取り組みが求められます。つまり、健康経営は企業価値を高めるための戦略としても必要不可欠だといえるでしょう。
健康経営を進めるステップ
健康経営を自社に導入するには、体系的なアプローチが欠かせません。単発的な取り組みでは効果が思うように出ず、持続的な取り組みにつながらないからです。
健康経営を定着させ、成果を出すためには適切なプロセスを踏む必要があります。ここでは、健康経営を進めるための基本の4ステップについて解説します。
■健康経営の宣言
健康経営における第一歩は、企業が健康経営に取り組む意思を社内外に表明する健康経営の宣言です。宣言には、従業員や投資家、地域などに対して、健康経営に取り組む意思を示す働きがあります。
健康経営を宣言する際、次のような内容を明確にします。
- 取り組む目的
- 具体的な数値目標
- 達成までのスケジュール
- 従業員に期待する行動
社内外に健康経営へ取り組む姿勢を示すことで、プロジェクトへの理解と協力を獲得しましょう。
また、健康宣言は、経済産業省が行っている健康経営優良法人の認定制度において、企業が認定の申請をする際の要件の1つになっています。特に中小企業法人部門に申請する場合、認定制度の活用も視野に入れている企業は、要件をしっかりと確認しておきましょう。
■ 健康経営の社内体制づくり
健康経営を進めるには、専任の担当者やチームを設置するなど、推進体制を整える必要があります。具体的には、人事部や総務部に担当者を置き、産業医やコンサルタントと連携しながら取り組みを進めます。
推進体制づくりでは、以下の3つのポイントを押さえます。
- 経営層が参加する推進委員会の設置
- 部門を跨いだプロジェクトチームの結成
- 従業員の声を吸い上げるシステムづくり
また、担当者には健康経営の知識が求められるため、外部研修へ参加したり専門家による指導を受けたりと、自己研磨を図ることも大切です。安定した推進体制があってこそ、健康経営は組織に根付きます。
■健康経営の実践
健康経営の実践ステップでは、自社の健康課題の把握から始めます。課題が明確になったら、関連する部門や職種の連携を深めつつ、解消するための具体的な施策を検討します。コンサルタントのアドバイスを受けながら、自社の状況に合わせて行うのが得策です。
施策を検討する段階では、次の3つのポイントを意識します。
- 予算と目標達成までの期間
- 従業員の負担度
- 実行時の問題点
従業員に過度な負担がかかる施策は、モチベーションの低下を引き起こす恐れがあるため避けるべきです。コストと期間が一定以上かかる施策については、予算や目標に照らし合わせて実現可能性を十分に検討してから実行します。
■PDCAサイクルの継続
健康経営は、一度実践したら終わりというわけではありません。効果を持続させるには、PDCAサイクルを継続的に回す必要があります。
具体的には、以下のサイクルを実施します。
- Plan(計画):健康課題の分析と目標設定、計画・施策の立案
- Do(実行):施策の実施
- Check(評価):データに基づく効果測定
- Act(改善):次期の計画への反映
効果測定では、健康診断の結果や従業員アンケート、労働時間、休暇取得率などの具体的な指標から成果を判断します。効果測定の結果は従業員と共有し、取り組みへの理解と協力を深めましょう。
【関連記事】 健康経営の成果を見える化!評価指標の最適な設定方法を解説
コンサルティング導入のメリット
健康経営の導入には、さまざまな専門知識や実務経験が求められます。高度な施策のため、専門家によるコンサルティングサービスの活用が選択肢の1つとなっています。
ここでは、健康経営コンサルティングを導入するメリットについて、3つのポイントから解説します。
■時間・労力のコストが削減できる
健康経営の導入には、分析からプラン策定、実施体制の構築といった下準備が多く、時間・労力のコストがかかります。自社の力だけで進めるには担当者の業務負担が大きく、通常業務に支障が出る恐れがあります。
コンサルティングサービスを利用することで、経験豊富な専門家のサポートのもと、効率的に健康経営を進められます。コンサルタントが豊富な支援実績に基づく知見を活かし、自社に最適な情報やロードマップを示してくれるため、時間的・人的なコストを軽減できるでしょう。
■専門家の知見が提供される
健康経営を効果的に進めるには、制度やデータ分析手法といった幅広い専門知識が必要です。とくに、健康経営優良法人認定を取得するには、細かな基準を1つずつクリアしなければなりません。
コンサルティングを活用することで、専門的なノウハウをもつプロから適切なアドバイスが得られます。企業の状況に合わせた実践的なアドバイスにより、認定取得や施策の実現がスムーズに進みます。
■正しい健康経営を社内に浸透させられる
健康経営を成功させるには、経営層から従業員までの全社的な協力が欠かせません。しかし、従業員に形だけの取り組みと捉えられてしまうと、本来の目的である企業価値の向上には結びつきません。
コンサルティングサービスは、健康経営の意義といった根本の部分から、企業と共有しながら施策を進めます。また、健康経営のような意識面での浸透が必要な分野では、社内報やセミナーなどの取り組みを継続的かつ効果的に行わなければなりません。従業員の意識変容には、外部からのサポートや働きかけが非常に有効だといえます。
コンサルティングのサポート内容
健康経営コンサルティングでは、企業のニーズに合わせてさまざまなサポートを提供します。導入から運用まで包括的なサービスが用意されているため、「何から健康経営を始めたらいいかわからない」という場合でも安心です。
以下では、健康経営コンサルティングの主なサポート内容5つについて説明します。
■健康経営優良法人認定のサポート
健康経営優良法人認定には明確な基準が定められています。認定基準について、一見すると容易に感じられるかもしれません。しかし、実際には社内における実施体制の構築に労力がかかる上に、申請手続きも複雑なため一筋縄ではいきません。
健康経営コンサルティングでは、認定基準の解説から申請書類の作成まで一貫したサポートが受けられます。うまく認定されるためのテクニカルなサービスではなく、基準を継続的にクリアできるよう実践的で本質的なサポートを行います。
■健康管理体制の構築
健康経営を進めるには、社内の推進体制を整える必要があります。コンサルティングでは、企業規模や業態に合わせた最適な体制づくりをサポートします。
具体的には、次のようなサポートを提供します。
- 運営方法の提案
- 担当者の役割の明確化
- 部門間の連携体制の構築
- 産業医との協力体制の確立
他社事例を踏まえながら体制を整え、健康経営の文化が社内に根付くまでフォローアップします。
■健康経営の実行支援
健康経営の実行段階では、自社の課題に応じた取り組みを考え、実施する必要があります。コンサルティングでは、まず従業員の健康診断データを分析し、企業固有の健康課題を明らかにします。
その上で、予算や実現可能性に合わせたプランを提案し、具体的な実施スケジュールの作成までサポートします。必要に応じて軌道修正を行うことで、確実な成果につなげます。
■メンタルヘルス対策のマネジメント
近年、働く人のメンタルヘルス対策は企業の重要課題となっています。コンサルティングでは、メンタルヘルスケアの体制づくりから具体的な予防施策まで、包括的な支援を提供します。
主なサポートには、産業医によるストレスチェックの実施と結果分析、相談窓口の設置、職場環境の改善などの提案やサポートなどです。専門家のサポートを受けることで、メンタル不調者が出た際の対応が適切かつスムーズなものになります。
【関連記事】 企業におけるストレスマネジメント:実践方法や効果を紹介
■産業医の紹介
従業員50人以上の事業所には、産業医の選任が法律で義務付けられています。しかし、自社にマッチする産業医は、そう簡単に見つけられるわけではありません。
コンサルティング会社では豊富なネットワークを活用し、企業に合った産業医を紹介します。サービスによっては、産業医とのオンライン面談も可能なため、従業員が忙しい職場でも安心です。
【関連サービス】 ウェルビーイングをともに。産業医With
導入費用は?
多くの健康経営コンサルティング会社では、導入費用を公表していません。コンサルティング費用は、提供するサービス内容や企業の規模によって大きく異なるからです。
経営コンサルティングの導入を考える場合、まずは複数の会社に見積もりを依頼し、サービス内容を比較することをおすすめします。ここで比較する際に重要なのは、金額だけで判断しないことです。自社の業態に近い企業の支援実績があるか、伴走してくれる体制が整っているかなど、サポートを吟味して選びます。
自社のニーズと予算の都合を勘案し、効果的な課題解決につながるコンサルティング会社を選びましょう。
コンサルティングサービス4選
■SOMPOヘルスサポート
SOMPOヘルスサポートは、経験豊富なコンサルタントとコンサルティング実績に基づく実践的で効果的な健康経営の総合支援を提供しています。健康経営推進の6つのステップである、現状分析、コンセプトづくり、目標設定、体制構築、施策実行、評価改善に沿って、企業に寄り添ったサポートを行います。
経営陣への提案から現場への浸透まで、健康経営が企業に定着するまでのトータルサービスを行うのが特徴です。大手から中小まで、さまざまな企業での実績をもつアドバイザーが、健診データの分析や産業保健体制の構築などの包括的なサポートを提供します。
健康経営優良法人の認定取得に留まらない、本質的な健康経営の実現を目指すサービスです。
■イーウェル
イーウェルでは、健康経営推進支援サービスを実施しています。産業医科大学との「コラボヘルス研究会」を通じて、健康経営のナレッジを蓄積。健康経営のPDCAサイクルに沿って企業の課題を見える化し、具体的なアドバイスを提案します。
大企業から中小企業まで、業界を問わずさまざまな実績を保有しています。健康経営優良法人の認定取得から、健康経営文化の構築を目指す企業の戦略立案まで、包括的なサポートを提供します。
■東京海上日動ディーアール
東京海上ディーアールでは、健康経営からウェルビーイング経営まで、幅広い視点でのサポートを提供しています。経営層目線での戦略策定から現場での施策実施、データを使った検証まで、トータルサポートを行います。
主なサービスである「ホワイト500認定支援」「健康経営方針・体制整備支援」「健康・生産性データ分析」を、企業の特性に合わせて柔軟に提供し、心身の健康のみならず、働きがいやワークライフバランスを含めた総合的な視点からもアドバイスを行います。
■日立コンサルティング
日立コンサルティングでは、健康経営銘柄や健康経営優良法人の認定取得に向けたサービスを提供しています。企業の現状を評価し、PDCAサイクルの確立を目指すアプローチを取るのが特徴です。
経営理念・方針、組織体制、制度・施策実行、評価改善という4つのフレームワークに基づき、企業の状況に応じたアドバイスを実施。アセスメントから具体的な取り組みのロードマップ作成まで、一貫してサポートします。
自社に合ったコンサルティングサービスを選択
健康経営コンサルティングは、企業の状況に合わせた効果的な健康経営を実現するサービスです。導入することで、専門家からのアドバイスを活かした戦略立案や効率的な体制づくりが可能となります。施策の実行、効果測定まで一貫したサポートを受けられるため、担当者の負担軽減にもつながります。さらに、社内への浸透や従業員の意識向上にも効果を発揮します。
SOMPOヘルスサポートでは、企業様のニーズに合わせた健康経営コンサルティングサービスを提供しています。保険事業で培った知見と、さまざまな医療保険機関とのネットワークなどから、健康経営に関するノウハウやリソースを蓄積している点が強みです。健康経営コンサルティングの活用をご検討の企業様は、まずはSOMPOヘルスサポートにお問い合わせください。
【お役立ち資料】
健康経営優良法人を獲得するためのチェックポイント
健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を目指す企業が、
どのような基準を満たすべきかを整理し、
スムーズに申請を進めるためのガイドです。