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【ストレスチェック】50人未満の事業場は義務化の対象外!それでも実施すべき理由とは?

50名未満の事業場におけるストレスチェック

2015年度から義務化されたストレスチェックですが、労働安全衛生法においては「常時50人以上の労働者を使用する事業場」を実施の義務対象としており、「50人未満の事業場」においては、義務の対象外となります。
一方で、厚生労働省が定期的に公表している労働安全衛生調査(令和4年公表分)によると、50人未満の事業場においては、ストレスチェックの実施率が62.4(3049)52.7%(1029)と、義務化の対象ではないものの、実施をしている事業場の割合のほうが多い結果です。

考えられる要因のひとつに、50人を超える労働者がいる事業場とそうでない事業場の両方を抱えている企業の存在が挙げられます。こうした企業がストレスチェックを実施する場合、50人未満の事業場も実施対象とすることで正しい全社傾向を読み取ろうとしたり、メンタルヘルス対策の観点から幅広い労働者にストレスチェックや医師面接を受けられる環境を整えておく、などの目的が考えられます。

では、50人未満の「企業」においてはどうでしょうか。労働安全衛生調査のような公表データはないものの、当社への50人未満の企業からのストレスチェックに関する問合せ数は年々増加しており、関心の高まりを感じています。
ストレスチェックの実施を検討するに至った背景をヒアリングしてみると、以下のようなことが分かりました。

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こうした状況は、企業規模や業種に関わらず起こり得るのですが、いくつか考えられる原因の中から2つピックアップし、解説していきます。

ケース①【年々従業員数が増加しており、今のうちからストレスチェック制度を効果的に運用できるようにしておきたい】

事業拡大と共に必要な人材を増加させており、成長が著しい企業に多い印象です。
こうした企業は創業当時は従業員数も少なく、経営・管理職・メンバー間の距離も近いため、従業員の変化に気づきやすく互いに声をかけやすい環境でした。

しかし、従業員が増加するにつれて従来の関係性に変化が生じ、メンタルヘルス対策も「個人まかせ」では通用しなくなってくると「会社制度」としてのメンタルヘルス対策が求められるタイミングになってきます。

その場合、義務化の対象になる前からストレスチェック制度を取り入れ、活用できるようにしておくことで、拡大する会社の規模に予め備えておくことができます。そのため、ストレスチェックの実施を検討する意義は大いにあります。

ケース②【テレワークを推進しているため、従業員のメンタルヘルスや健康管理に力を入れていきたい】

コロナ以降、増加しているのがこのケースです。

テレワークが働き方の一つとして定着するとともに、対面からオンラインへとコミュニケーションの場が変化したことへの対策として、ストレスチェックを検討する企業が増加しました。

また、ストレスチェックに加えオンライン研修やeラーニングなどでの教育を合わせて実施し、従業員の健康リテラシーを向上させる取組みを検討している企業もあります。

こうしたケースにおいても、ストレスチェック制度は大いに役立ちます。

ケース③【健康経営の土台作りとして、ストレスチェックを取り入れたい】

従業員満足度やエンゲージメントを向上させるために健康経営の推進を計画し、その一環としてストレスチェックの実施を検討しているケースです。

実施するストレスチェックの内容によっては、メンタルヘルス以外にも従業員満足度やエンゲージメント、コミュニケーション面や身体面など様々な傾向を把握することができますので、健康経営を進めるための第一歩としてストレスチェックによる集団分析結果を参考とするのは、非常に意義があります。

いかがでしたでしょうか。50名未満の企業に特有の背景もあれば、企業規模に関係なく起こりうる背景もあるかと思います。いずれにしましても、義務化の対象でないからストレスチェックを実施する必要がないわけではなく、必要と感じたら制度に捉われずに実施を検討することが望ましいでしょう。

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