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【ストレスチェック】人事必見!ストレスチェックの効果が出ない時にすべきこと
ストレスチェックのスコアが改善しない企業
ストレスチェック後の職場環境改善施策を実施してはいるものの、なぜか毎年ストレスチェックのスコアが改善しない企業があります。こうした状況は、企業規模や業種に関わらず起こり得るのですが、いくつか考えられる原因の中から2つピックアップし、解説していきます。
原因その1 課題の把握が十分ではない
把握すべき課題が、実は他にも存在しているケースです。ストレスチェックは、厚生労働省が定める基準を満たしていれば企業が自由に選択できますが、最も多く利用されているのは厚生労働省が推奨している「職業性簡易ストレス調査票」ではないでしょうか。
職業性簡易ストレス調査票に関しての説明はここでは省きますが、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域で構成され、メンタルヘルスに関わる自社の状況を把握するために非常にバランスの取れた作りになっています。
一方で、企業によってはエンゲージメントやライフスタイルなどといった切り口でも課題を可視化することで、より自社の状況が掴めることもあります。例えば、仕事を通して自己成長ができているかや、職場や部署の一体感を感じているか、などのようなエンゲージメント的要素は、従業員のストレス度合いに影響を与えますが、メンタルヘルスの観点だけでは可視化が難しいものです。
また、食習慣や飲酒量、睡眠の状況などのライフスタイルについては、心身に直接影響を与える要素ですが、意外と確認ができていないケースもあります。このように、自社の状況を幅広く可視化することで、より精度の高い課題の把握が可能となります。
現在、職業性簡易ストレス調査票を利用しているのであれば、自社におけるリスク面はしっかりと把握ができますので、同時にエンゲージメントサーベイ等を実施する、57問から80問版に切り替えるなどを検討してみてもよいかもしれません。より多くの情報を集めることで、原因の深堀が可能になり、新しい観点での対策が検討できるようになるでしょう。
原因その2 組織風土が醸成されていない
正確に課題を特定し、適切な施策を実施するまではよいのですが、従業員側の気持ちが追い付いていないケースです。メンタルヘルス対策の重要性について、人事・経営側では十分認識がなされているものの、従業員側への浸透が進んでいない場合に起こります。
例えば、管理職にメンタルヘルス対策の重要性が浸透しないままメンバー層にセルフケア研修を行った場合、メンバー層に起こる「現場での変化」に対し管理職が心理的な抵抗を抱き、変化を元に戻そうとするケースがあります。そうなるとせっかく実施した施策が無駄に終わる可能性があります。
健康経営でも同じことがいえますが、まずは経営層からのメッセージを発信し、特に管理職層に浸透するように努めることが重要です。メンタルヘルス研修の冒頭に役員から直接メッセージを伝える、経営方針に従業員の心身の健康について明記をする、など費用をかけずにできることが沢山あります。現在実施している施策を無理に変える必要はありませんので、会社全体の価値観の共有に務めてみてください。
【関連サービス】
ストレスチェック「LLax seed」
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