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テレワークがもたらす集団分析結果への影響(3)
第2回では、リモートワークが継続される中で起こり得る関係性の変化についてお話をいたしました。第3回は、その中で求められる管理職マネジメントの変化を中心にお話しいたします。
「かくあるべき」マネジメント像の変化
皆が同じ場所で働いている環境下においては、程度の差はあるかもしれませんが、自部門の全体像を把握し、強いリーダーシップの下、目的に向かって組織を動かすマネジメントが効果を発揮します。その中で個々の状況や役割に応じた個別フォローを行い、各人が能力を発揮できるように関わっていきます。全体が主で個が従の関係です。
リモートワーク環境下ではどうでしょう。第2回でお話ししたように、個々のプロジェクトやタスクに紐づいた関係性が主となります。管理職として個々の状況は掴めるけれど、組織全体としては捉えどころがない、なんだかよくわからない状況になっていると感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
強いリーダーシップを発揮しようにも“のれんに腕押し”状態
個々のメンバーも同じ思いを感じています。リモートワークが進む中で、組織としての枠組みが弱くなり、より個としての状況が強調される中で、組織の方向性やメッセージが発信されても、いまいち実感が持てない。良いか悪いかではなく、実態としてこうしたことが十分に起こり得るわけです。
結果的に管理職が組織全体に対して強いリーダーシップを発揮しようにも、“のれんに腕押し”状態で手ごたえを感じられないケースが出てきてしまいます。
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個に強いマネジメントが更に重視される
このような状況下で効果を発揮するマネジメントは、「発信力の強いリーダーシップ型」よりも「支援型」と呼ばれるような個々との信頼関係をベースに相手の能力を引き出すマネジメントです。個が主で組織が従の関係です。
管理職としては今まで以上に個々との関わりを重視し、本人の状況や考え、モチベーションなどを理解する。組織全体に対して打ち出したい方針などがある場合は、個別に事前説明をする必要があるかもしれません。そして、個々に関わって得た情報を集約した上で組織全体としてのメッセージを作り発信する。こうしたステップを踏むことで受け止め側も自分に関係することとして感じやすくなります。
組織を動かすために最初に個を動かす
個が主で組織が従というと誤解を招くかもしれませんが、組織を動かすために最初に個を動かす、というようにご理解いただけると良いと思います。最近取り入れている企業が多い1on1ミーティングなどは、リモートワークの時代に欠かせない制度になるのではないでしょうか。
少し話が逸れますが、リモートワークが中心になってきている企業では、優秀な管理職とそうではない管理職の要素が変わるかもしれません。強い発信力とパワーを持っていた管理職が、今までとは異なる周囲の反応に戸惑う一方で、目立たなかったけれど一人ひとりとの対話を重視してきた管理職は、それほどやり方を変えずにリモートワークに適応したマネジメントを進められているのではないでしょうか。
長くなりましたが、次回(最終)は集団分析への影響についてお話ししたいと思います。(次号へ続く)
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