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集団分析後の対策と現場の実情
当社の担当コンサルタントからは、結果の特徴に応じて、
- 各種研修
- 職場環境改善ワークショップ
- 管理職コンサルティング
- 高ストレス職場全員(キーマン)面談
などが、ご提案されていることと思います。
高ストレス職場全員(キーマン)面談
近年、ご要望が多くなってきたのが、「高ストレス職場全員(キーマン)面談」です。ヒアリングの内容を参考に、職場内の本質的な課題を洗い出し、原因と対策をご提案するというソリューションです。集団分析からわかるのは、あくまでも「数値的な結果」であり、その数値の裏側で何が起こっているのかは、実際の現場に話を聴いてみないとわからないものです。
また、お話を聴く相手は、余りにも人数が多い場合にはキーマンに絞っていただく場合もありますが、できれば「全員面談」に拘りたいと思っています。
職場は多面体です。プリズム のように、見る角度によって、全然違う光り方をするのです。集団分析の結果から、私たちは「仮説」を立てています。その「仮説」が、全員の話を聴くことによって、より立体的に、リアルに、様々な色を帯びて、「現実」として立ち現われてくるのです。
印象的だった事例
その職場は、「上司からの支援」の数値が非常に悪く、人事部と打ち合わせをした段階でも、管理職である支店長のマネジメント力が問題なのではないか、ということが「仮説」でした。しかし、全員面談(支店長も含む)をしてわかったことは、会社から課される厳しいノルマを達成するためには、支店長自身がトップ営業マンとして動かざるを得ない、という支店の実状でした。
- 有無を言わさず降りてくるノルマ、
- 人が辞めても補充がない人員不足、
- 年代構成の歪さ故のナンバーツー不在、
- 管理職として教育を受けずに支店長を務めている実態
- 時代とともに増え続ける社内の事務処理・・・
そんな状況の中、一番疲弊し、苦しんでいるのは、実は、支店長ご本人でした。
メンバーは、そんな支店長を心配しつつも、マネジメント機能がない支店の状態や、相談したいときにいつも支店長がいないという状況を訴える意味で、「上司の支援」に関する設問に悪く回答していました。
この職場の状況を考えたときに、人事部から集団分析の結果を各職場に共有し、「管理職は何か対策を考えなさいよ」という指示だけしていれば良いと思われるでしょうか。
社用車で最寄駅まで送っていただきながら、支店長が漏らした「もう、最近では、ほとんど夜寝られないんです 」という一言が、ずっと忘れられません。
人事部には、逼迫した支店の状況と、考えうる対策をご提案しました。私どもが職場に介入しても、すぐに状況が変えられるとは思っていません。会社には色々な事情があって、変えられないことも多いでしょう。
しかし、「変わるかもしれない」「変えられるかもしれない」という希望がひとつでもふたつでもあれば、人は前を向けるのではないでしょうか。現場の方にその希望が生まれるための「風穴」を、私どもが開けます。
そのあとは、人事部、ときには経営者の「覚悟」にかかっている、といっても過言ではありません。
現場の状態を知ったからには、改善のためのサポートをする、職場が改善されるまで、様々なサポートをし続ける、その姿勢が、小さな改善に繋がり、小さな改善が毎年積み重なって、大きな 改善、「会社の風土」というものを構築していくのだと思います。
コンサルタント:桜又彩子
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