2022.05.12
【ストレスチェック】ストレスチェック、エンゲージメントサーベイの組織結果フィードバック方法①
ストレスチェックやエンゲージメントサーベイなどを実施すると、集団分析で自組織の傾向を把握することができます。一方で、集団分析結果を人事部門で把握をしたものの、その後、現場組織に結果をフィードバックすることに二の足を踏まれている企業様も多いのではないでしょうか。集団分析結果には組織運営に役立つ貴重な情報が詰まっており、上手く活用できれば有益なツールになりえます。
本コラムでは、集団分析結果を現場組織へフィードバックするための「集合方式」について解説いたします。前提として、フィードバックの対象は組織運営の責任者であり、介入改善に取り組むことができる立場にある管理職とします。
・集合方式は、オンライン会議が定着していれば非常に効率的な方法
集合方式は管理職を集めて、同時に集団分析結果の説明を行う方式です。対象者へ一斉に情報展開ができるため、効率が良いことがメリットです。
一方、拠点が全国に点在していたり、多忙であったりと、管理職を一堂に集めて開催することが難しい方法でした。しかし、テレワークやオンライン会議を推進している企業であれば、無理なく実施ができる方法です。
・集合方式の具体的な進め方
まず「1.サーベイ、集団分析についての目的・概要説明」「2.集団分析結果の見方説明」を行いましょう。
特に重要なのは目的の説明です。目的に関しては既にサーベイを実施する段階で説明をしているかもしれませんが、会社側と管理職側で認識の齟齬が生まれると、その後の効果にも影響を及ぼしますので、ここで改めて説明をしておくことをお勧めします。
続いて「3.全社の結果の説明」「4.具体的な組織をピックアップした説明」を行います。
全社傾向を説明し、次に、特にリスクが高かった組織や、特徴的な傾向を示した組織をとりあげ、事例として説明をします。事例として特定組織の説明をすることで、管理職は、その内容を自組織の結果に置き換えながら理解を進めることができます。この時、実データを利用することもできますが、組織名称や回答人数を消すなどし、該当組織の管理職に配慮をすることが重要です。ここまでが基本的なアジェンダです。
・結果の把握に留まらず、改善対策の検討までできると効果が高まる
上記アジェンダ例のように、具体的な事例を示しながら集団分析結果をご説明することで、管理職に、集団分析結果の見方や解釈について、おおよそのイメージをもっていただけます。「4.具体的なケースを用いた説明」まででフィードバックを終了することも可能ですが、もう少し時間を多くとることができるようであれば、
5.自身の管轄する組織の結果の確認
6.課題/強みの把握、改善対策の検討
のパートへ進みます。
このパートでは、自身の管轄する組織の結果を把握いただき、課題や強みの洗い出しを行います。その上で、特に注力して改善に取り組みたい課題について、具体的な改善対策を検討していただきます。
結果を見ての所感や改善対策を記入するためのワークシートなどがあると、感じたことや考えたことを書き残しておけます。また、実際に改善取組みを実行した後に、取組みの評価・振り返りを行うこともできるため、集団分析結果をより効果的に活用していくことができます。
次回は管理職一人ひとりに結果を個別フィードバックしてい「個別方式」について解説いたします。