2021.12.16
【ウェルビーイングとは?】企業における重要性について解説
ウェルビーイング(well-being)とは、1946年のWHO憲章草案の中で健康の定義として初めて登場しました。その中で、「肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態」と訳されています。
日本では、2021年に日本経済新聞社が公益財団法人Well-being for Planet Earthと「日本版Well-being Initiative」を創設しました。SDGsと共に世界がめざすゴールとして、幸福や健康を表す「ウェルビーイング」への注目がいま高まっています。
ウェルネスとウェルビーイング
「ウェルネス(wellness)」が「身体的・精神的な健康」と定義されることに対して、「ウェルビーイング」は、周囲との良好な関係性や、仕事に対する満足感、そして仕事以外の生活の充実といった「社会的に良好な状態」を含んでいます。つまりメンタルヘルス対策や健康経営のような企業における身体的・精神的な健康を目指す概念をも含めた、より大きな概念です。
働き方改革の推進や多様性の容認といった新しい価値観が求められるにつれて、企業はそれぞれの従業員の立場への配慮や尊重が必要になってきました。また生産年齢人口の減少にともない、従業員が良好な状態で働き続けられるための取り組みも求められています。こうした流れの中で、ビジネスの世界でもウェルビーイングが着目されるようになりました。
ウェルビーイングの参考指標
ウェルビーイングの具体的な指標として、ギャラップ社が定義した5指標があります。
・Career Wellbeing(キャリア ウェルビーイング)
仕事に限らず、趣味や家事、介護や子育てなど多くの時間を費やしているものへの幸福
・Social Wellbeing(ソーシャル ウェルビーイング)
友人や知り合いの数によらず、信頼でき愛情のある人間関係への幸福
・Financial Wellbeing(フィナンシャル ウェルビーイング)
経済的な幸せ。収入を得る手段の有無や報酬への納得感、資産管理の状態への幸福
・Physical Wellbeing(フィジカル ウェルビーイング)
心身が健康な状態にあるか。ポジティブな感情を持っているか
・Community Wellbeing(コミュニティ ウェルビーイング)
仕事やプライベート問わず、身近な関係性についての幸福
参考としての指標はあるものの、具体的な測定が難しくこうすべきといった正しい方法も提示されていないのがウェルビーイングでもあります。しかしいくつかの企業では、健康経営の先にあるものとしてウェルビーイングを意識し、独自の取り組みを始めています。従業員が身体的・精神的・社会的にも良好な状態で働き続けるにはどうしたらいいか、できることから始めてみるのが良いでしょう。そのためには従業員のストレス状況や健康状態、エンゲージメントなど身近な課題から取り組んでいくことがウェルビーイングの実現に近づくはずです。