株式会社友伸エンジニアリング
2015年より当社サービスをご利用
1971年設立。配電盤を中心としたハイテクシステムの開発および産業用のソフトウェア開発を行っている。 従業員数は約150名。本社と東京工場が約100名、他は福島県の鹿島工場が30名、岩手県の一関工場が20名、金沢工場にもメンバーが在籍している。
- 課題とニーズ
- 2011年の震災後、メンタルヘルス不調者が増加した
- 若手社員の離職防止
- 導入された当社サービス
- メンタル不調者/休復職者対応「LLax standard」
- ストレスチェック「LLax seed」
- レジリエンス測定サーベイ「LLax MRP」
- ポイント
- メンタルヘルス不調で会社を辞める社員がいなくなり、それ以外の離職者もだいぶ減少した
- MRPを活用した面談
Q.弊社のメンタルヘルスサービスを導入頂いたきっかけ、経緯を教えてください。
2011年の東日本大震災の後、震災の影響でメンタルヘルス不調になった社員がおり、震災に伴う勤務地の転居、業務量や内容の変化など、様々な要因が重なっていることが分かってきました。
しかしながら会社としても、私たち総務部にとっても、専門的知識がない中での対応は不安を伴い、他の業務にだいぶ支障が出てきました。
ちょうどそのころにSOMPOヘルスサポート社による公開セミナーを受け、職場のメンタルヘルス対策の必要性を知ることができ、LLax seedを採用してストレスチェックを行うこととしました。また当時の経営発表会においても、義務化される前年度から「ストレスチェックを実施すること」を全社員に表明し、「健康いきいき職場作りに取り組むこと」を目標として掲げました。
Q.ストレスチェックの運用を用いたメンタルヘルス対策について教えてください。
最初は実施の趣旨が伝わっていないケースもあったのかもしれません。会社から言われるまま、受け身の姿勢で受検しているといった社員も見受けられました。しかし今は役員会での最初の議題に毎回メンタルヘルス対策の話が挙がるほど、当たり前の雰囲気で取り組める環境に変わってきました。
これは社長をはじめ、一度積極的に取り組むと決めたら、役員も部長も管理職もとことん進めていく社風が後押ししています。われわれ総務部も活動がしやすいです。
集団分析結果では、会社全体の健康リスクの数値は経年ではあまり大きな変化は見られませんでした。
ただ部署ごとに見ると変動があります。特に工場の製造部門は、顧客からの要望に応じてカスタマイズ生産していることもあり、繁忙期と落ち着いている時期とで仕事量に波があります。個人の業務負荷を把握し、調整できるような環境作りが必要であることを認識することができました。
また他にも集団分析結果からは、地方の工場の社員の支援が必要だということが分かりました。
今年度は地方の岩手と福島の社員に対して、日ごろの業務負荷の把握や健康相談を目的とした全員面談を行いました。
面談を希望者制にすると、周囲の目を気にする者もいるので、全員対象として行いました。
今申し上げた取組みは他社事例等も含めた分析結果の適切なフィードバックを頂けたことで、我々も専門家の支援を受けているという安心感を持って社員に取り組みを促すことができました。
Q.専門職支援サービス(LLax standard)を導入頂いたきっかけ、経緯を教えてください。
導入前は、メンタルヘルス不調の社員が発生するたびに総務部では毎回ハチの巣をつついたようにざわつき、自信がないながらもなんとか対応しているような状況でした。
またストレスチェックの義務化以降も産業医の面談の申し出がなかったため、受け身の姿勢ではなく、会社側から自発的に社員のメンタルヘルスのフォローをしていこうと考えたことが大きなきっかけになりました。
導入後は総務部の担当者だけで対応しなければならないという不安がなくなりました。
ストレスチェック期間外でも、本社と東京工場では月に1回のOMCの面談日があるので悩みや不安があれば誰でも相談できるように門戸を開放しました。地方拠点の従業員についてもOMCの顔写真を相談窓口として紹介していたこともあり、職場復帰支援の際に、地方の社員が面談に来ることもあります。
また当社では、入社3年目までの社員を対象にストレス耐性の測定ツール(LLax MRP)を採用しています。
OMCの面談にこの受検結果の説明を含めることでフォローに厚みを持たせるだけでなく、会社としての若手社員の離職防止の非常に有効な一手となっています。
実際メンタルヘルス不調で会社を辞める社員がいなくなり、それ以外の離職者もだいぶ減りました。
総務部としての採用活動においても、高校や大学に求人票を提出した時、学校側は離職者数に注目するのですが、最近は離職者が少ないことに好印象を持って頂いており、導入の効果を実感しています。
Q.今後の展望と当社へ期待することを教えてください。
当社の社員は年代ごとの人数のばらつきがほとんどなく、10代から60代までそれぞれほぼ同じくらいの人数です。
様々な世代が同じ職場にいるからこそ、「コミュニケーションを取る場を作る」ための取り組みのご提案や職場環境改善についても当社の社風も踏まえて、一緒に考えていきたいです。
また今まで以上に若手社員のフォローにも一緒に力を入れていきたいです。3年前から「入社から3年目までは見放さない」という方針で対応しています。実際、この3年間で離職した新入社員はなく、定着率も良くなりました。
新入社員はOMCの面談に加えて総務部とも定期的に面談をする運用を取っています。
上記のように当社のメンタルヘルス対策は、職場のコミュニケーションを円滑にするために総務部が中心となって関与や支援をしていくことが重要です。
ただし、社内の担当者だけでの対応が難しい場合はOMCのような専門家の力を借りながら、当社の社風に合ったメンタルヘルス対策の「あり方」を追求していきたいと思います。